卵の黄身はなぜ色が違う?濃い方が栄養があるって本当?
2025/01/25
卵の黄身は、オレンジ色に近い濃い色のものもあれば、薄い黄色のものもあります。
この違いに気づいたことがある方も多いのではないでしょうか?
「黄身の色が濃い方が栄養価が高い」という話を耳にしたことがある方も多いかもしれません。
しかし実際はどうなのでしょう?
この記事では、黄身の色の違いの理由や、栄養価との関係について詳しく解説します。
目次
卵の黄身の色が違う理由
黄身の色は、主に鶏が食べているエサの内容によって決まります。
鶏は食べ物から摂取した色素をそのまま黄身に反映させます。
・ 色が濃い黄身の場合:エサにトウモロコシ、パプリカ粉末、マリーゴールドなどの色素を含む成分が多く含まれている場合、黄身の色が濃くなります。
・ 色が薄い黄身の場合:小麦や米など、色素をほとんど含まない穀物を中心としたエサを与えると、黄身の色が薄くなります。
つまり黄身の色は、エサの内容が大きく影響しているのです。
ちなみに卵の殻の色は鶏の種類によって決まります。
色が濃い方が栄養価が高い?
結論から言うと、黄身の色が濃いからと言って、必ずしも栄養価が高いとは限りません。
黄身の色と栄養価は直接的な関係があるというわけではないのです。
ただし、エサの中に含まれる特定の成分が多い場合、結果的にそれが黄身に反映されるため、特定の栄養素が多く含まれることはあります。
一方で、薄い黄身の卵も栄養価が低いわけではありません。
黄身には脂肪、タンパク質、ビタミン類がバランスよく含まれており、その基本的な構成は濃い色の卵とほとんど変わりません。
したがって、黄身の色だけで「良い卵」「悪い卵」を判断するのは誤解だといえます。
最近では、「黄身が濃い色の方が美味しそう」と感じる消費者の声に応えるため、意図的に黄身の色を濃くするようなエサを与えている生産者も増えています。
味に違いはある?
黄身の味は、色だけで決まるわけではありません。
鶏のエサや育て方、品種など、さまざまな要因が味に影響を与えています。
当店で主に使用している卵は、岡崎黄斑の卵です。
これらの卵は、愛媛の媛っこ地鶏と同じ養鶏場で育てられた鶏から産まれています。
媛っこ地鶏と同じ、じゃこ天のアラなどを独自配合したエサを食べているため、黄身が白っぽい色合いになるのが特徴です。
じゃこ天のアラを含むエサを食べていることから、味はあっさりとしながらも、鰹出汁など魚の旨味と相性が良い印象を受けます。
当店では、この卵を活かして、鰹と鶏の出汁を使った茶碗蒸しや、愛媛の名産品である削り蒲鉾をたっぷり使用した卵かけご飯を提供しています。
卵の繊細で優しい風味が、料理全体の味を引き立てますので、ぜひお試しください。
黄身の色を楽しむ食べ方
黄身の色が濃い卵は、見た目にも鮮やかで食欲をそそります。
それに対して、黄身の色が薄い卵は日常ではあまり目にする機会が少なく、その存在に驚かれる方も多いかもしれません。
当店では、この珍しい白っぽい黄身の卵を茶碗蒸しや卵かけご飯に使用しています。
特に茶碗蒸しにすると、色が白くなるため、初めてご覧になるお客様から「これが卵の色なの?」と驚かれることがよくあります。
飲食店として、私たちは単に「美味しい料理」を提供するだけでなく、お客様に驚きや楽しさを感じていただけるよう心がけています。
普段あまり食べないものや、非日常感を味わえる料理を提供することで、味だけでなく見た目や体験としても食事を楽しんでいただけるよう工夫しています。
この白い黄身の卵も、特別なひとときを演出する一つの要素として、多くのお客様に喜んでいただいています。
まとめ
卵の黄身の色は、鶏が食べるエサの内容によって決まるため、色の濃さと栄養価には直接的な関係はありません。
黄身の濃い卵は見た目に鮮やかでコクがある印象を与え、一方で薄い黄身の卵はあっさりとした味わいが特徴的です。
それぞれに異なる魅力や特長があるため、黄身の色にとらわれることなく、料理やお好みに合わせて卵を選ぶのがおすすめです。
また、最近ではスーパーにもさまざまな種類の卵が並び、鶏の品種や飼育環境、エサの内容にこだわったものが増えています。
ぜひ、一度黄身の色や味の違いを比べてみてください。
料理によって適した卵を選ぶことで、日々の食卓がより豊かになることでしょう。
卵一つでも広がる楽しみを、ぜひ探してみてください。