炭火焼鳥はなぜおいしいのか
2025/03/24
「炭火焼鳥」と聞くだけで、美味しそうなイメージが湧きませんか?
実際に、炭火で焼いた焼鳥は香ばしくジューシーで、フライパンやガスコンロで焼くのとは一味違った仕上がりになります。
でも、なぜ炭火で焼くと美味しくなるのでしょうか?
ただ「なんとなく良さそう」と思っている方もいるかもしれませんが、炭火には食材を美味しく仕上げるための科学的な理由があります。
今回は、「炭火焼鳥が美味しい理由」を、赤外線の効果や炭の香りの秘密とともに詳しく解説していきます!
目次
炭火焼鳥が美味しい理由は「赤外線」にあり!
炭火で焼いた焼鳥が美味しい一番の理由は、「赤外線」の効果です。
炭火は、ガス火やフライパンとは違う熱の伝わり方をします。
目には見えませんが、炭火からは大量の赤外線が発せられ、それが食材を外はパリッと、中はふっくらジューシーに仕上げるのです。
炭火で焼いた焼鳥を想像してみてください。
表面はこんがり焼き色がつき、かじるとパリッとした食感がありながら、中からは肉汁がじゅわっとあふれる…。
この焼き上がりこそ、赤外線の力によるものです。
では、赤外線とはどのようなものなのでしょうか?
赤外線とは?
赤外線は、紫外線と同じ「電磁波」の一種です。
例えば、太陽の下でうちわを仰いでも、太陽の熱そのものは変わらずに暑く感じますよね?
同じように、炭火の前でうちわを仰いでも、熱さは変わりません。
これは赤外線による「放射熱(輻射熱ふくしゃねつ)」が原因です。
赤外線は、風の影響を受けずにまっすぐ進む性質を持っており、炭火の熱が食材に均等に届くため、焼きムラが少なく、中までしっかり火が通るのです。
また、炭火の熱は強くても表面を焦がしにくいため、じっくり焼くことができ、旨味を閉じ込めながら焼き上げることができます。
3つの熱の違い
熱の伝わり方には、大きく分けて3種類の方法があります。
◼︎ 放射熱(輻射熱)── 炭火
→ 熱が遠くまで届き、食材全体をムラなく加熱できる
炭火で焼くと、火の上に直接置かなくても、食材の横に置くだけで火が通ります。
例えば、囲炉裏で魚を立てかけて焼くのも、炭火の放射熱を活かしているからです。
◼︎ 伝導熱 ── 鉄板・フライパン
→ 接触した部分にのみ熱が伝わる
鉄板やフライパンで焼く場合、食材が直接触れている部分だけが焼けます。
均一な焼き加減にするには、ひっくり返す必要があります。
◼︎ 対流熱 ── ガス直火
→ 空気の流れを利用して加熱するが、ムラができやすい
ガス火で焼くと、火が直接当たる部分は強く焼けますが、周囲の部分は温度が低くなります。
そのため、外側だけ焦げて、中が生焼けになることもあります。
このように、炭火は「放射熱」を利用するため、食材全体を均一に焼き上げることができるのです。
炭火焼きならではの香りの秘密
炭火のもう一つの魅力は、「香ばしい香り」です。
炭火で焼いているとき、鶏肉の脂が炭に落ちると、「ジュワッ」と音を立てて煙が上がりますよね。
この煙が、食材に炭の香りをまとわせるのです。
ガス火ではこの香りは生まれません。
また、炭の種類によっても香りが変わるため、焼鳥を美味しくするためには、炭選びも重要になってきます。
当店では、「土佐備長炭」を使用しています。
どの窯元さんかにもよりますが、当店で使用している土佐備長炭は、火力が安定しており、食材の旨味を引き出すのに最適です。
まとめ
◼︎ 炭火焼鳥が美味しいのは「赤外線」の力によるもの
◼︎ 赤外線は、紫外線と同じ「電磁波」の一種
◼︎ 熱の伝わり方には「放射熱」「伝導熱」「対流熱」がある
炭火焼鳥が美味しいのは、単なるイメージではなく、科学的な理由があるのです。
赤外線の力で中までしっかり火を通しながら、外はパリッと香ばしく仕上げ、さらに炭の香りが加わることで、焼鳥の旨味を最大限に引き出します。
炭火ならではの食感と香ばしさを、ぜひ味わってみてください!