おいしさを左右する焼鳥屋の「煙」に迫る!
2024/12/08
焼鳥屋の前を通ると漂ってくる香ばしい香り。
ついつい足を止めてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか?
実は、この「煙」には、焼鳥の美味しさを左右する重要な秘密が隠されているんです。
今回は、焼鳥屋の「煙」について深掘りしていきます!
目次
おいしさの秘訣の一つ「煙」
焼鳥には、炭火、ガス火、電気など様々な焼き方があります。
中でも炭火は、焼いた時に立ち上る煙が魅力の一つです。
鶏肉の脂が炭にしたたり落ち、その脂が煙を立ち上らせます。
この煙が食材を包み込むことで炭の香り(=薫香)がつきます。
この薫香がおいしさを増幅させる炭火特有の香りとなり、他の調理法では得られない深い味わいが得られるのです。
炭の種類で香りが変わる?
炭火と一口に言っても炭の種類は数種類あります。
土佐備長炭や紀州備長炭などの国産の備長炭、ラオスや中国などの外国産備長炭、そしてオガ炭など。
使用する炭の種類によって遠赤外線効果が異なるのはもちろん、煙の香りが異なり、焼鳥の仕上がりに大きな違いが出ます。
高品質な炭ほど、おいしさを増幅してくれる薫香を生みます。
焼鳥を焼く焼き師は、炭の遠赤外線効果による焼き上がりはもちろん、薫香にも注目して炭選びを行っています。
煙はただの副産物ではない
実は焼き師は、煙の出方や量を細かくコントロールしています。
脂が多い部位(ぼんじりや皮)を焼く際は煙が多く出ますが、逆に脂が少ない部位(ささみや肝)では煙が出にくくなります。
どのように仕上げたいかを考えながら炭床を細かく調整し、それぞれの部位に合った薫香をつけています。
この繊細な焼きによって、薫香とそれによる深い味わいが楽しめるのです。
煙が生む魅力と問題
煙は焼鳥の味だけでなく、雰囲気作りにも一役買っています。
煙を立ち上らせながら焼いている様子は「美味しい焼鳥が食べられる!」という期待感を高めてくれます。
しかしながら、排煙に関しては、通行人や住民に迷惑にならないようかなりの配慮が必要です。
開業時の外装工事として、建物の屋上まで煙突をあげるか、減煙装置を導入します。
また定期的に清掃業者にダクトの清掃をお願いしたり、日々の掃除で換気扇をきれいに保つようにしています。
まとめ
焼鳥屋の「煙」は、単なる副産物ではなく、味・香り・雰囲気を作る大切な役割を担っています。
焼鳥を食べる際は、立ち上る煙や香りにぜひ注目してみてください。
それは焼き師の技術と工夫が詰まった、焼鳥の奥深い世界の一端なのです。
ぜひ焼鳥屋に足を運び、この奥深いおいしさを体感してみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。