焼鳥屋で豚!? 地域によって異なる焼鳥文化
2024/12/27
「焼鳥」といえば鶏肉…と思いきや、地域によっては豚肉が主役の焼鳥屋もあるって知っていましたか?
北海道室蘭では「焼鳥」と言えば豚バラ串、福岡では焼鳥屋の定番が豚バラ串という驚きの事実!
なぜ鶏肉ではなく豚肉が使われるのか?
それには戦後の歴史や地域の食文化が深く関わっています。
この記事では、地域によって異なる「焼鳥」の文化と、豚肉を使った焼鳥の魅力に迫ります!
目次
豚がポピュラーな地域
◼︎ 北海道 室蘭
北海道室蘭市の焼鳥といえば、豚肉とタマネギを串に刺したものが定番!
甘辛いタレをつけて焼き上げ、洋辛子をちょんとつけて食べるのが地元流です。
北海道では養豚が盛んに行われているため、豚肉が手に入りやすかったそう。
豚肉とタマネギの絶妙なバランスがクセになる一品です!
◼︎ 埼玉県 東松山市
東松山の焼鳥は、豚のカシラ肉を炭火で丹念に焼きあげ、辛いみそだれをつけて食べる独自のスタイルです。
埼玉県東松山市の焼鳥には、特製の「辛みそ」が欠かせません。
甘辛いみそをたっぷりつけて食べる焼鳥は、ビールとの相性抜群!
独特の歯ごたえのあるカシラ肉のうま味にピリッと辛いみそのハーモニーが絶妙にからみ合います!
◼︎ 福岡県
福岡県では、焼鳥といえば「豚バラ」が人気!
甘辛いタレや塩で味付けして、付け合わせのキャベツで脂をさっぱり流すのが定番スタイルです。
「串に刺して焼けば何でも焼き鳥」といった考えの方が多いようです。
野菜に豚バラを巻いた野菜巻きの発祥も福岡なんです。
豚肉を使い始めた理由は諸説あるようですが、「戦後に満州などから引き揚げてきた人たちが持ち帰り広まった文化」や「昭和初期、鶏肉が高価だったため手頃な豚肉を使い始めたから」と言われています。
その名残で、今でも焼鳥屋さんの看板メニューは豚バラが多いのです。
なぜ豚を使うようになった?
豚肉を使った焼鳥文化が広がった背景には、地域の食材事情、地元の文化が深く関係しています。
北海道では、戦後の食糧難の時代、鶏肉は高価で入手が難しかった一方で、養豚が盛んだったため、豚肉が比較的手に入りやすい食材でした。
また、製鉄業が盛んだった室蘭では、働く人々に手軽でボリュームのある食事を提供するため、脂が乗った豚肉を使用し、重労働を支えるエネルギー源としていました。
福岡県は、豚骨ラーメンやもつ鍋などもともと豚肉を多く使う文化が根付いている地域です。
それに加えて、戦後の屋台で豚肉が焼鳥の代用として使われたことから、豚肉が焼鳥屋の定番として根付きました。
今では、鶏肉も豚肉もどちらも手に入りやすい食材ですが、このような歴史により、豚肉は今やその地域独自のソウルフードとして受け継がれています。
ここでも豚文化が!
当店の店主の地元・愛媛でも焼鳥屋で豚肉をおく文化があります。
愛媛では特に福岡の文化が根付いていることが多く、愛媛県松山市内の焼鳥屋では焼鳥がキャベツの上に提供されます。
豚バラ串はもちろんあり、豚バラの野菜巻きも豊富です。
当店でも愛媛のブランド豚「甘とろ豚」に大葉をたっぷり巻いた「しそ巻き」を提供しております。
大阪では焼鳥屋で豚バラを置いている店はあまりなく、驚かれる方もいます。
焼鳥をもっと楽しもう!
「焼鳥」と一口に言っても、地域によってその姿や味わいは大きく異なります。
北海道室蘭や福岡では豚肉が「焼鳥」として親しまれ、地元の人々にとっては当たり前の食文化として根付いています。
これらの文化の背景には、食糧事情や地域独自の工夫がありました。
豚肉の焼鳥は、鶏肉とはまた違った脂の旨味やジューシーさが魅力です。
これらの地域を訪れる際は、ぜひ「焼鳥」と名のついた豚肉料理を試してみてください。
地域の個性が詰まった一串が、旅の新たな楽しみを提供してくれるはずです!