愛媛の砥部焼とは?特徴や土の秘密、暮らしに根付く器の魅力
2026/10/15
愛媛県の焼き物といえば、「砥部焼(とべやき)」をご存じでしょうか?
白い器に藍色の模様が描かれた、温かみのある焼き物です。
愛媛県伊予郡砥部町を中心に作られており、長い歴史を持つ伝統工芸品でもあります。
当店でも、器のひとつとして砥部焼を使っています。
今回は、愛媛で親しまれている砥部焼の特徴や、器の原料となる土、そして実際に使っていて感じる魅力についてご紹介します。
目次
砥部焼とは?
砥部焼は、愛媛県の砥部町とその周辺で作られている焼き物です。
現在の磁器づくりは、江戸時代の1777年に焼成に成功したことに始まります。昭和51年(1976年)には、国の伝統的工芸品に指定されました。
砥部焼と聞いて、白い器に青い模様が描かれたものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、そうした伝統的なデザインだけでなく、現代的な色や形を取り入れた作品も作られています。
毎日の食卓で使う皿や鉢から、個性豊かな作品まで、幅広い器があるのも魅力です。
砥部焼の特徴は、白い肌と丈夫さ
砥部焼の特徴のひとつは、白い素地に藍色の模様が映える美しさです。
伝統的な染付の器では、白と青の組み合わせが料理を引き立ててくれます。
そして、もうひとつの特徴が、厚みのある形と硬く丈夫な性質です。
砥部焼は磁器に分類されます。磁器は、陶石を主な原料とし、高温で焼き上げることで硬く緻密な素地になります。砥部焼も、こうした磁器ならではの性質を持っています。
見た目の美しさだけでなく、日常の食卓で使いやすい実用性も、砥部焼が長く親しまれてきた理由のひとつです。
砥部焼にはどんな土が使われている?
砥部焼の特徴を知るうえで、欠かせないのが原料です。
砥部焼の主な原料は、砥部町の上尾峠(うえびとうげ)周辺で採れる、粗面岩質安山岩(そめんがんしつあんざんがん)が陶石化したものです。
「陶石」とは、焼き物の原料となる石のこと。
採掘した陶石を細かく砕き、地元産の陶石にほかの産地の原料も混ぜ合わせて、器を作るための材料である「坏土(はいど)」を作ります。
つまり、砥部焼は単に白い土を使って作られているのではなく、地域の地質が育んだ原料と、それを器へと仕上げる職人の技術によって生まれているんです。
普段何気なく使っている器にも、その土地ならではの歴史やものづくりが詰まっているんですね。
地震のときも砥部焼だけは割れなかった?
以前、お客様から砥部焼について、こんなお話を伺ったことがあります。
地震が起きたとき、家の中の食器が割れてしまったなかで、砥部焼だけは割れずに残っていたそうです。
もちろん、砥部焼だから絶対に割れないというわけではありません。落とし方やぶつかり方によっては、割れたり欠けたりすることもあります。
ただ、こうしたお話を聞くと、砥部焼の丈夫さが日々の暮らしのなかで実感されていることが伝わってきます。
見た目が美しいだけでなく、普段使いの器として長く付き合えること。
それも砥部焼の魅力なのだと思います。
愛媛の家庭には、砥部焼が一枚はある?
これは統計を調べたわけではありませんが、愛媛にゆかりのある私としては、砥部焼はとても身近な存在です。
愛媛のお家には、砥部焼の器が一枚くらいはあるのではないか。そんなふうに感じるほど、親しみのある焼き物なんです。
特別な日にだけ使う高価な器というよりも、普段の食事で自然に使える器。
料理を盛り付ける皿や、煮物を入れる鉢など、家庭の食卓で活躍する姿がよく似合います。
地元で作られたものが、日々の暮らしのなかで当たり前のように使われている。
そう考えると、砥部焼は単なる伝統工芸品ではなく、愛媛の食文化や暮らしにもつながっている存在なのかもしれません。
焼鳥と器の組み合わせも楽しんでほしい
料理を楽しむとき、どうしても食材や味付けに目が向きがちですが、器によっても料理の印象は変わります。
同じ料理でも、白い器に盛り付けるのか、模様の入った器に盛り付けるのかで、見え方が違いますよね。
砥部焼は、料理を引き立てながら、器そのものの存在感も楽しめる焼き物です。
当店でも、料理だけでなく、器も含めて食事の時間を楽しんでいただけたらと思っています。
焼鳥を味わいながら、「この器はどこのものだろう?」と少し興味を持っていただけたらうれしいです。
まとめ
砥部焼は、愛媛県砥部町を中心に作られている伝統的な焼き物です。
白い素地に藍色の模様が映える美しさと、厚みのある形、硬く丈夫な性質が特徴です。
その原料には、地元で採れる陶石が使われており、地域の自然と職人の技術によって受け継がれてきました。
そして、愛媛の暮らしのなかで、日常使いの器として親しまれてきた存在でもあります。
普段何気なく使っている器にも、その土地ならではの歴史や魅力があります。
愛媛を訪れる機会があれば、ぜひ砥部焼にも注目してみてください。
「参考:砥部町公式ホームページ」

