焼鳥の塩とタレはどうやって決める?部位や焼き方で変わる味付けの理由
2026/10/06
「焼鳥は塩のほうが素材の味を楽しめる」
「タレのほうがお酒に合う」
そんなイメージを持っている方もいらっしゃると思います。
では、焼鳥屋ではどのように塩とタレを使い分けているのでしょうか?
実は、焼鳥の味付けには「この部位は必ず塩」「この部位は必ずタレ」という決まりがあるわけではありません。
今回は、焼鳥の塩とタレをどのように決めているのか、焼鳥屋の目線からご紹介します。
目次
部位に合う味付けを考える
焼鳥の味付けを決めるときに、まず考えるのがその部位にどちらの味付けが合うかということです。
例えば、脂の多い部位なら塩で焼いて脂の旨味を楽しんでもらう。
一方で、タレと合わせることでより美味しさが引き立つ部位もあります。
部位によって肉の脂や食感、旨味の強さはそれぞれ違います。
その特徴を考えながら、「この部位には塩」「こちらはタレ」というように味付けを決めています。
自分の焼き方に合う味付けをする
もうひとつ大切なのが、自分の焼き方に合う味付けをすることです。
同じ鶏肉でも、焼き方が違えば仕上がりは変わります。
火の入れ方や焼く時間、炭火との距離などによって、肉の水分や脂の残り方、表面の香ばしさも変わってきます。
だからこそ、
「この焼き方なら塩のほうが美味しい」
「この焼き上がりならタレを合わせたい」
というように、自分の焼き方との相性も考えて味付けを決めています。
塩かタレかだけを見るのではなく、「どう焼くか」まで含めて味付けを考えるということです。
おまかせコースでは「味付けの流れ」も大切
おまかせコースの場合は、一本一本の味付けだけではなく、コース全体の流れも考えています。
例えば、最初から濃い味のタレが続くよりも、塩から始めて、部位や味わいの変化を楽しんでもらいながら、徐々にタレへ。
というように、味付けにも流れを作っています。
もちろん、これは「塩が先でタレが後」と決まっているわけではありません。
その日の部位や焼き上がり、全体のバランスを見ながら、一串一串の味付けを決めています。
一串だけを美味しくするのではなく、最後まで美味しく食べてもらえるように、味付けの順番も考えているんです。
「この部位は絶対に塩」という正解はありません
焼鳥について調べていると、
「〇〇は塩」
「△△はタレ」
と書かれていることもあります。
もちろん、それぞれのお店の考え方としては間違いではありません。
ただ、焼鳥の味付けには、絶対的な正解や不正解があるわけではありません。
同じ部位でも、お店によって塩だったりタレだったりします。
それは、使っている鶏肉やタレ、塩、炭、そして焼き方がそれぞれ違うからです。
「この部位だから絶対に塩」というよりも、そのお店が「どう食べてもらいたいか」によって味付けは変わってきます。
鶏肉にも季節や個体による違いがあります
さらに、同じ部位であっても、いつでも同じ状態とは限りません。
鶏肉は季節や個体によって、脂の付き方や肉質などに違いがあります。
そのため、普段は塩で出している部位でも、
「今日は少し脂が多いから塩で」
「今日はこの肉質ならタレのほうが合いそう」
というように、状態によって味付けを変えることもあります。
「この部位はいつも塩」と決めてしまうのではなく、その日の鶏肉を見て判断することも、焼鳥屋の仕事のひとつです。
焼鳥屋によって味付けが違うのも面白い
同じ「ねぎま」でも、あるお店では塩、別のお店ではタレ。
そんなことも珍しくありません。
どちらが正しいということではなく、それぞれのお店が考える「美味しい焼鳥」が違うからです。
焼鳥屋を何軒か食べ歩いてみると、
「このお店は塩が多いな」
「ここのタレはこの部位によく合うな」
など、お店ごとの違いが見えてきます。
そういった違いを楽しむのも、焼鳥の面白さのひとつだと思います。
まとめ
焼鳥の塩とタレは、単純に「部位によって決まっている」というものではありません。
部位に合う味付け。
自分の焼き方に合う味付け。
そして、おまかせコースなら料理全体の流れに合う味付け。
その日の鶏肉の状態によって、普段とは違う味付けをすることもあります。
だからこそ、焼鳥の塩とタレには「これが正解」というものはありません。
お店ごとに考え方があり、焼き方があり、味付けがあります。
焼鳥を食べるときには、「この部位はなぜ塩なんだろう?」「どうしてここはタレなんだろう?」と少し考えてみると、そのお店の焼鳥に対するこだわりも見えてくるかもしれません。

